妊娠7週目から8.9.10週と風力を弱める事なく、激しい台風の様につわりが続いた。
1週間程で6キロ痩せてしまった事で、筋肉がなくなり、歩く事がとても困難になって一歩一歩腰を屈めながら何とか家の中も歩いていた。座っている事も苦痛で、とにかく寝たきりの日々。
日によって体調の変化が全く異なり、1日の中でも時間帯によっても異なっていた。
大体早朝5時半から6時半の間に猫に起こされ、何とかベットから起き上がり床に座って猫の餌を準備。朝は比較的体調が良く、自分も5個入りのクリームパンかスティックパンを何とか一つ食べながら牛乳を飲む。
そのあと少しずつ体調が悪くなり、午前中を何とかやり過ごそうと目を閉じる。
お昼になって体調が良ければ少しおにぎりを食べられたり、桃を食べたり。水分を口に入れるのが億劫で我慢して飲めるだけ飲んでいた。常にヨダレが出てきて飲み込む事が出来ず口の中にヨダレが溜まる。ゴミ箱とティッシュを家の中でも持ち歩いて自分のそばに常に置いて過ごす。
嘔吐でトイレに行くが上手に吐けないと苦しくて、胸元に何かが引っかかっている状態が続き、これがまた気持ちが悪い。
嘔吐の際や辛い時、夫が背中をさすってくれるのがとても有難かった。
お腹の中に赤ちゃんがいるという喜びよりも、気持ち悪くて辛い方が正直気持ち的に勝っていた。
夕方17時を過ぎると気持ち的にも体調もどんどん落ち込み、ベットに入って19時は寝ていた。
ちゃんと寝てれいる訳ではなく、何度も何度も寝返りを打ったり、胃やお腹をさすったり、ヨダレを吐いたり、横になって目を閉じているが少しの音や光にも敏感で顔をタオルで覆っていた。
テレビも携帯も本も見る事すら辛く気持ち悪くなってしまうので、ただただ時間が過ぎるのを待って過ごしていた。
11週12週になりすこーしずつ体調が良い時間帯や日が増えてきた。
お米や麺類(うどん、そば、そうめん)などは食べられなかったが、なぜかパン(食パンにケチャップとマヨネーズを塗り、ハム、トマト、アボカドをのせてトースターで焼く)は食べられた。
夫からも「今日は顔色が良さそう。」と言ってもらえる日が増えていた。
が、私のつわりは甘くなかった。
12週目の終わり、3回目の検診を2日後に控えたある日。
いつも通り気持ち悪く船酔いしたような感覚に陥っていた。が、いつもと少し違った。身体中が暑くて常に熱を持ったようだった。保冷剤で首や頭、脇やリンパ節を冷やしていたがどうも頭がぼーっとしていた。恐らくこれは『熱中症』になりかけていたのだと後から思った。夜は激しめの嘔吐をした。
そして、3回目の検診の為通院。
その日はとても体調が悪く、何かがずーっと胃から胸にかけて引っ掛かっている感じがしていた。
検診では、初めてお腹にエコーの機械をあてて赤ちゃんを見た。赤ちゃんはさらに大きく成長し、目や鼻や口ができていると先生が教えてくれた。周期にあった成長をしている事も嬉しかった。検診後、血液検査と検尿をする事になり辛そうな私を見た先生の勧めで点滴もしてもらう事になった。
検尿と血液検査を終え、夫のところに戻った瞬間、激しい嘔吐をした。ヨダレのお陰でいつもビニール袋とティッシュを持っているので安心して吐いた。吐いていると看護師さんたちが集まってきてくださり、みんな心配そうに声をかけて見守ってくれた。私が吐くのに慣れている夫は「全部吐けばもう終わると思いますので。」と誰よりも冷静で吐きながらも可笑しかった。
看護師さんが車椅子を持って来てくださり、それに乗って点滴のベットに移動した。
点滴をして横になっていると看護師さんに「ケトン体が+3になっているし、入院するのもいいと思うのだけど、どうでしょう?」と言われた。以前から先生に何度か『入院』を勧められてはいたが、断っていた。でも、この時は「12週になったのにこの辛さ。1週間くらい入院したら毎日点滴してもらえるし、来週には体調が良くなるかも。夫にも迷惑ばかりかけているから少しゆっくりしてもらえる良い機会かな。」と思った。
そして夫と相談して入院する事に決めた。
次の記事:奮闘記11:入院の日々
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