奮闘記8:時には逃げる

小さい時から犬より猫派だった。中学生の時、初めて迷い猫を飼いその後も立て続けに迷い猫やら野良猫と出会い4年前まで猫を飼っていた。

夫と結婚して、二人で「猫飼いたいね。」と話していたがなかなか飼う環境に無くて飼えなかった。

あさひの事があってから、心から笑えなくて、何をしても楽しくなくて、どこかいつも卑屈に考えて自分を責めて過ごしていた。

そんなある日、夫が「猫飼おう!」と言ってきた。本当に飼う気があると思っていなかったけど、夫は本気だった。そのまま休日は何回か猫の譲渡会に参加した。夫婦共働きという事や集団住宅という事で譲渡につながらない事もあり精神的に弱っていた私は「猫も私達夫婦のところには来てくれない。」と泣いた事もあった。

そんな私を何度も夫は慰めなながら、譲渡会に連れて行ってくれた。

そしてある譲渡会で運命の出会いをした。初めて見た時「この子だ!」と確信した。直ぐに譲渡の希望を出した。後日電話連絡をくださるという事で帰宅した。その日の夜連絡があり私達に譲渡を決定してくださるといわれて嬉しくて涙が出た。

それから一週間後、待ちに待った日が来た。

保護主の方はとっても良いご夫婦の方でわざわざウチまで猫を届けて下さった。

それからウチは『3人家族』になった。

正直、周りは「赤ちゃんは諦めて、猫を飼う事にしたんだな。」と思ったらしい。(母より)

でも私達夫婦は赤ちゃんを諦めた訳じゃなかった。ただ、『2人』という環境を変えたかったのかもしれない。新しい命が増えた事で、私達の生活は一変した。会話が増え、何より笑顔が増えた。私達の宝物になった。

あるドラマで竹中直人さんが役中で「子供のできない夫婦は猫を飼いがち。」と言っていた。

そうなのかもしれない。私達夫婦はあさひの事を乗り越える事が出来なくて、猫を飼うという行為に逃げたのかもしれない。私ははっきり言ってあさひに注ぐ愛情をウチに来てくれた猫に注いでいる。あさひの生まれ変わりだと思う日もある。あさひを産んでいたら、猫を飼う事は無かったかもしれない。

私は思う。人生、逃げたっていい。苦しくて、辛くて、どうしたらいいか分からない時、時間がただ経つのを待つ事も出来ない時、前を向いて耐えるだけが正解じゃない。

「自分より辛い人はいる。」「みんなもっと大変。」「私は恵まれている。」と人に言われた。

だから我慢しろ、耐えろという事だろう。私自身もそう思って頑張ろうと何度も思った。

でも、それはきっと違う。

誰かと辛さや苦しさを比べたって、楽になる訳じゃない。そもそもそんなの比べるものじゃない。

私の苦しさ、辛さは誰にも分からないし、私も誰かの苦しさや辛さを本当の意味では分かってあげられないと思う。ただ、その苦しさや辛さに寄り添う事、分かろうとする事それが大切。

周りの人達の色々な言葉や態度に傷付いた。

でもそんな時、「ニャー」と言いながらフワフワモコモコが私に寄り添い側にいてくれて、何度救われたか。

私は頑張って笑わなくても、自然に笑えるようになった。

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