育児奮闘記:1 母乳はつらいよ~。

無事に出産を終え、帝王切開の傷と闘いながら保育器に入っている我が子に1日二回の10分ほどの面会時間だけを楽しみに過ごしていた、ある日。

助産師さんが「そろそろ母乳の練習始めましょう!」と笑顔で言ってきた。母乳に練習が必要なんだーと思いながら、何も知らない私はこれからとってもとっても痛い事が起こるなんて全然想像していなかった。手袋をつけた助産師さんがそっと私の横に立ち「母乳をあげるのって、すっごい幸せそうに見えるでしょ?でもね、すっごく痛いからねー!じゃあおっぱい出してください。」と言われた。

え?すっごい痛いの?聞いたこどないですけど・・・と思いながら言われるまま胸を出した。すると、助産師さんが私の乳首をつまんで、つまんで、つまんで。

いや、痛い!痛い!痛い!えっ?赤ちゃん産んだら勝手にピーーーーって母乳が出るんじゃないの?つままないと出ないの?と心の中で叫びながら我慢していると、ちょっとだけだけど、濃いクリーム色の液体がじわじわ~と出てきた!!初母乳!!!その日から毎日2時間おきに片乳5分自分で絞る練習をした。

頑張っても雀の涙も取れないけど、それを哺乳瓶に入れて面会時間に息子の所に運んだ。帝王切開の傷も痛かったけど、乳首も痛くて、息子に会える幸せだけを生きがいに耐えた。

保育器に入った息子は、鼻に管が入っていて足には点滴と採血の後。とっても小さくて背中は毛だらけで、か弱く見えたけど一生懸命生きてるのが伝わってきた。だから、寝返りもトレイもくしゃみも咳も、歩くのも着替えるのも、母乳絞るのも助産師さんに絞られるのも、胸が張るのもぜーんぶ耐えられた。

そんな、母乳が手で10cc絞れたある日、いつものように助産師さんに冷蔵庫に入れてもらおうと持っていくと「おー頑張りましたね!これだけ絞れるようになったら搾乳機渡すからこれからは搾乳機を使ってみてください。」と手動式の搾乳機を拝借した。 搾乳機最高ー!!退院したら絶対買う!!と思った。

母乳が出てくるようになり、今度は胸が張ることがふえてきた。出すのも痛いけど、張るのも痛い。

母乳が痛いなんて誰も言ってなかったじゃないかー!!

息子が保育器に入って4日目の朝。いつものように面会に行くと保育器から出ていた!!「抱っこして大丈夫ですよ。」と言われて始めての抱っこ。

仕事で何度も赤ちゃんを抱いてきたけれど、産れて4日目の我が子を抱くのは恐ろしく清い事のように感じて、怖くなった。ビビっていると看護師さんが「はい!」と私の腕の中に息子を入れてきた。あっという間に初めてのハグが始まって、我が子の温かさと柔らかさに笑みがこぼれた。

そのあと、看護師さんに今日の夕方は授乳しましょう。と言われていつもの面会時間じゃない15時半に来るように言われ興奮した!

 

15:15 早速新生児室に向かい、初めての母乳をあげられることに高揚していた。

看護師さんに言われるまま息子を体重計に乗せて、授乳クッションをつけて息子を抱っこして授乳を開始した。びっくりするくらい痛くて、叫びそうだったけど、新生児室という事もあり痛みをグッと我慢して口に含ませ続けた。看護師さんがタイマーをセットしてくれて(痛すぎて何分だったが忘れましたが。)それが鳴るまで我慢した。

タイマーがやっとこさなると、もう一回息子を体重計に乗せてどのくらい母乳を飲むことができたのか測った。

初めての授乳はぜーんぜん飲めてなくて痛みのわりに、なんて燃費が悪いんだ!と思ったけど初めての体験だったからまぁよしとしよう!と自分に言い聞かせて可愛い息子といったんバイバイした。